社交ダンス療法の効果:ロコモティブシンドローム・認知症予防への科学的メリット
高齢化が進む現代では、「身体の衰え」や「認知機能の低下」は誰にとっても避けて通れないテーマです
最近、介護・健康分野の専門サイトでも 社交ダンス療法が高齢者の健康に良い と紹介される機会が増えてきました。
掲載記事では、社交ダンスが「身体機能の改善」「認知機能の刺激」「心の活性化」という3つの面から健康を支える可能性があることが紹介されています。
音楽に合わせて体を動かしながらステップを覚えるという動作は、単なる運動よりも脳と身体の複合的な刺激につながり、楽しみながら続けられるという点が大きく評価されています。
さらに、社交ダンスをきっかけに外出機会や交流が増え、生活全体の質(QOL)が向上したという声も報告されています。このように多くの健康関連サイトでも注目されているのが、社交ダンス療法の大きな特徴です。
この記事では、日本の研究(参考URLも記載)をもとに、なぜ社交ダンス療法が健康に良いのかを、ロコモティブシンドローム(ロコモ)や認知症予防の観点から詳しく解説します。

笑顔あふれる歌の時間。社交ダンス療法と一緒に、心も体も元気に
リズムと健康を融合!社交ダンスの効果的な健康法
身体のリズム感やステップによる運動は身体機能や認知機能の向上に貢献し、さらに注意力や記憶力の向上にもつながるとされています。
社交ダンスを通じて音楽との調和やコミュニケーションを楽しむことで、知的行動や社会的習慣を養い、心身のストレス軽減や健康促進にも役立ちます。
1️⃣ リズム感:リズム感とは音楽に合わせて身体を動かす能力のことです。リズム感があると、音楽やダンスに合わせて正確なタイミングで動くことができます。リズム感の向上には、脳の認知機能や運動機能が活性化され、注意力や協調性も向上すると言われています。
2️⃣ ダンスの効果:ダンスは身体的効果だけでなく、精神的な効果もあります。例えば、ダンスをすることでストレスを解消し、リラックスした気持ちになることができます。また、ダンスは運動量が豊富であり、全身の筋肉を使うため、身体の代謝を高め、体力や柔軟性を向上させる効果があります
社交ダンス療法が注目される理由:複合的に脳と身体を鍛える仕組み
社交ダンスは、一般的な有酸素運動とは異なり「音楽 × 記憶 × 判断 × 身体操作 × コミュニケーション」を同時に行う、非常に高度な運動です。
✅ ステップを覚える(記憶)
✅ 音楽のテンポに合わせる(リズム・判断)
✅ パートナーとの動きを調整する(協調性)
✅ 空間を把握しながら動く(注意力)
これらは脳の海馬・前頭前野・側頭葉・小脳など、複数の領域を総合的に活性化させます。アメリカの医学誌 NEJM では、ダンスを習慣にしている人が認知症リスクを76%低減したという研究結果も報告されています。
また、社交ダンスは“楽しい”運動なので、運動が苦手な人でも継続しやすい点が強み。健康づくりで最も大切な「継続性」を自然に満たしてくれる点も強みです。

フレイルやロコモ予防に役立つ多彩な運動イラスト。楽しみながら健康習慣をサポート
ロコモティブシンドロームと認知機能低下、社交ダンス療法の可能性
日本では平均寿命の伸びとともに、「健康寿命」をどう守るかが大きな課題になっています。特に近年注目されているのが、ロコモティブシンドローム(運動器症候群:ロコモ)の進行と、それに伴う認知機能低下のリスクです。
ロコモとは、骨・関節・筋肉といった「動くための器官」が弱ることで、立つ・歩くなどの日常動作に支障が出る状態を指します。
加齢によって誰にでも起こりうる変化ですが、一度進行すると転倒リスクが高まり、外出頻度が落ち、さらに筋力低下と認知機能低下の悪循環に入りやすくなります。
そんな中、日本人高齢者を対象にした研究(参考URLをここから読む▶️地域高齢者におけるロコモティブシンドロームと認知機能低下の関連)では、ロコモが進むほど認知機能も低下しやすいという関連性が示されました。体が弱ることと脳の働きが落ちることは別問題ではなく、深くつながっているのです。
社交ダンス療法がもたらす正の循環
社交ダンスは単なる運動ではありません。ステップを覚え、音楽に合わせて動き、相手とコミュニケーションを取る。これらすべてが“脳”と“体”に同時に働きかける運動です。特に日本の中高年層には、昔から親しまれてきた身体文化としてのダンスがあり、抵抗なく始めやすいのも強みです。
研究では、複雑な動作・リズム・姿勢保持を伴う運動は、海馬を刺激して記憶をサポートする効果が報告されています。また、社交ダンスのように他者との交流が伴う活動は、孤立を防ぎ、前向きな気持ちを維持しやすいという点でも非常に優れています。
ロコモが進むと「体を動かすのが怖い」「人と会うのが面倒」という心理が生まれやすいですが、ダンスはその壁を自然と取り払ってくれます。音楽に乗ると気持ちが軽くなり、ステップができるたびに成功体験が積み重なり、「まだ動ける」という自己効力感が戻ってくる。これが認知機能にも好影響を与え、身体機能・精神機能が双方から改善していくのです。
さらに社交ダンス療法は、転倒予防に重要な「下肢筋力」「バランス能力」「姿勢の安定性」を鍛える運動でもあります。ロコモの予防・改善と認知機能の維持、その両方を同時に叶える rare(レア)なアプローチだと言えます。
🔥つまり—
1️⃣ アンダーライン体を動かすことで脳を守り、脳が元気だとまた体を動かしたくなる。
2️⃣ 社交ダンスは、この“良い循環”を作り出すための強力なきっかけになります。
日本人の高齢化が進む中、医療や福祉の現場でもダンス療法が注目され始めているのは、その理由が明確だからです。無理なく続けられ、楽しさがあり、しかも科学的根拠で支えられている。これほど多角的に健康を支える運動は多くありません。
ロコモが気になり始めた人も、認知機能の低下を予防したい人も、
または「なんとなく体が重い」「外に出るきっかけがほしい」と感じている人であっても、社交ダンスは“人生の後半戦のパートナー”になり得る力を持っています。あなたが今、健康を大切にしたいと思っているなら、ダンスはその気持ちにしっかり応えてくれる選択肢になります。

利用者を支えるスタッフの笑顔とチームワーク。安心して参加できる社交ダンス療法の現場
社交ダンス療法を紹介された記事について
専門メディアでの紹介も、社交ダンス療法の注目度を示しています。中でも、介護・福祉の情報発信で知られる 「レバウェル介護」 からのインタビュー記事は大きな反響を呼びました。
レバウェル介護は、介護職や医療・福祉の専門家が信頼して読む情報サイトで、現場で役立つ知識や最新のケア方法を幅広く取り上げています。そのような専門性の高い媒体で、私の社交ダンス療法が紹介されたという事実は、この取り組みが “現場で再現性があり、実際に役立つ健康アプローチ” として認められたことを示しています。
インタビューでは、社交ダンスが持つ次のような健康効果について詳しくお話ししました。
✅ 音楽に合わせて体を動かすリズム刺激
✅ パートナーとのコミュニケーションによる社会的刺激
✅ ステップを覚える記憶・判断の複合負荷
✅ 下肢筋力・バランス能力の強化による転倒予防
✅ 継続しやすい“楽しさ”という最大の強み
編集チームは、特に ロコモ予防や認知機能低下の抑制 に関心を示してくれました。
現場で「表情が明るくなった」「外出機会が増えた」「できた!という自信が戻った」といった変化も見られ、記事掲載を通じて多くの方に社交ダンス療法の価値が伝わる一歩となりました。
K-Dance Style は、社会福祉に貢献する取り組みをサポートします
『社交ダンス療法』は、ご高齢者の方や車椅子の方、認知機能障害のある方を対象とした、楽しみながら健康を増進できるダンス療法です。
亀山は、介護施設での10年以上にわたる経験から、様々な障がいや悩みを抱える方々に適した動きで楽しく笑顔になれるサポートを提供しています。
<福祉・介護の現場で働く方へ>
社交ダンス療法にご興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
施設での導入方法や実践のポイントについてもご相談いただけます。

