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フレイル予防に社交ダンスが効く理由|筑波大学・辻大士准教授が解説した“脳と身体への効果”

社交ダンスとフレイル予防:なぜ今、注目されているのか

TBS系「サンデーモーニング」で、筑波大学・辻大士(つじ ひろし)准教授が社交ダンスはフレイル予防に効果的と紹介した内容が、今とても大きな反響を呼んでいます。

そもそも**フレイル(虚弱)**とは、高齢期に身体・認知・精神機能が徐々に低下し、日常生活に支障が出やすくなる状態のこと。放置すると転倒や要介護リスクが高まります。代表的な評価指標には以下があります。

🔸Fried基準:体重減少、握力低下、歩行速度低下、疲労感、身体活動量の低下
🔸FRAILスケール:疲労感、筋力低下、歩行困難、病気、体重減少

フレイルの伴う問題の一つが、認知機能の低下です。主な原因が以下の通りです。

✅脳への刺激不足:新しいことを考えたり覚えたりする機会が減る
✅血流の低下:運動不足による脳血流減少は神経細胞の働きを鈍らせる
✅慢性的ストレスや孤立感:脳内の情報処理や感情制御に悪影響
✅生活習慣病:高血圧・糖尿病・肥満などが神経細胞の老化を早める

健康→プレフレイル→フレイル→要介護の変化を示したイラスト。自転車から膝痛、杖、車椅子へ

社交ダンスはフレイル予防に効果的である理由

筑波大学の調査(JAGESプロジェクト)では、男性33,746人・女性36,799人を3年間追跡し、運動種目と健康状態の変化を分析しました。

その結果、男性ではダンス(社交ダンス)がフレイル予防に最も効果の高い運動種目として1位、女性では登山・ハイキングが1位という結果が得られました。辻准教授は、「女性ではランキング外となったが、ダンスは女性にも十分効果的だった」と述べています。社交ダンスが身内だけではなく脳や感情にも作用する総合的な健康運動であることがわかります。

(出典:筑波大学「筑波大学「フレイル予防におすすめの運動・スポーツ種目」2024年 JAGES報道発表 」PDF

脳への刺激:社交ダンスは“動く脳トレ”

辻准教授は、社交ダンスが以下の脳機能を同時に使う点を最大の特徴として挙げています。

✅記憶(ステップを思い出す)
✅身体感覚(姿勢・重心移動を意識)
✅音楽認知(リズムやテンポを捉える)
✅感情(楽しさ・緊張感・達成感)
✅判断力(パートナーの動きに合わせて反応)

この「同時処理」が脳のネットワークを強化し、注意力・反応速度・記憶力の向上につながると解説されています。

💡さらに番組では、
米国・アルバート・アインシュタイン医科大学の研究も紹介され、 社交ダンスを続けた高齢者では認知症リスクが大幅に減少(研究によれば、ダンスをしない人と比べてリスクが 76%低かったとの報告これらの研究は、社交ダンスが非常に高度な脳刺激になることを裏づけています。

社会性の低下や生活範囲の縮小、筋力低下に焦る様子

🔷対人動作が生み出す高度な刺激

パートナーの動きに合わせて、重心の変化・リード・間合い・タイミングを瞬時に読み取る必要があります。このプロセスが自然と判断力・反応速度を鍛え、“脳の総合トレーニング”として働きます。

🔷コミュニティとのつながりが健康に大きく寄与

社交ダンスはコミュニケーションが前提の活動です。仲間と踊る・会話する・笑うといった交流が、心身に次の効果をもたらします。

🔸孤立感やうつ感情を軽減:仲間と会話したり笑顔で交流することで心の健康を保てる
🔸継続意欲の向上:一緒に参加する仲間がいることで運動を続けやすい
🔸社会的認知機能の維持:会話や協調動作を通じて、認知能力の刺激になる

辻准教授も「社交ダンスの楽しさや仲間との交流が脳に与える影響は大きく、認知機能の低下防止に役立つ」と強調しています。

🔷身体への効果:下半身と姿勢を総合的に鍛える

社交ダンスは以下のような身体へのメリットも期待できます。

🔸下半身の筋力アップ:太もも、ふくらはぎ、お尻などを使うので、歩行や立ち上がり・姿勢維持に役立つ。
🔸姿勢改善&転倒リスク低下:背筋を伸ばし、正しい姿勢を保つ動きが習慣になる。
🔸血流促進:全身を動かすことで血行がよくなり、冷え・むくみ・肩こりの改善にも期待。
🔸心の活性化:会話や笑顔、達成感を通じて、意欲や生きがいが戻る。

気づけば笑顔が増えていた──ダンスが運んできた変化
K-Dance Styleには、こんなあたたかい体験談があります。

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Aさんご夫婦(50代)

「健康のために…」と始めた社交ダンス。気づけば、ふたりの会話が増えて家の空気まで明るくなりました。
動きを合わせる時間が“一緒に挑戦する楽しさ”になって、夫婦の距離がぐっと近くなった気がします。
無理なく続けられるから、始めて本当によかった──そう思える毎日です。

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Y・Kさん(70代)

定年して少し時間ができたので、思い切って社交ダンスを始めました。最初は続けられるか不安もありましたが、レッスンを重ねるうちに身体が軽くなっていくのを実感。久しぶりに会った友人からなんだか若々しくなったね!と言われた時は、本当にうれしくて。姿勢や表情が変わると、気持ちまで前向きになるんですね。今では週1回のダンスが、私の元気の源になっています。

体力も記憶力も、社交ダンスで始めるフレイル予防

年齢を重ねると、知らず知らずのうちに身体や脳の働きが少しずつ衰えていくことがあります。場合によっては、**フレイル(虚弱)**と呼ばれる状態につながりやすく、転倒や日常生活の負担が増えることも。また、認知機能の変化や生活の質への影響が出ることもあります。

『最近、歩くのがしんどい…』
『物忘れが増えた気がする…』

そんな思いあたることはありませんか?

最近歩くのがしんどい、物忘れが増えた…と気づき、頭の中で心配しながら考える様子

筑波大学・体育系の辻大士准教授も、社交ダンスはフレイル予防にとても効果的な運動であると推奨しています。社交ダンスは、下半身の筋力やバランス、姿勢を鍛えるだけでなく、ステップを覚えたりパートナーに合わせたりすることで脳を同時に刺激できる“動く脳トレ”。さらに、音楽に合わせて楽しみながら踊ることで、気分のリフレッシュやストレス解消にもつながります。

K-Dance Styleでは、

初心者や高齢の方でも安心して始められるレッスンを用意しています。無理なく、自分のペースで取り組めるので、体力や経験に不安があっても大丈夫。まずは体験レッスンで、辻准教授も推奨する社交ダンスの楽しさと健康効果を体感してみてください。あなたの健康を、ダンスがより豊かにしてくれます。

体験レッスンはこちら

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